テーマ
アトピー性皮膚炎の定義、歴史、原因(特に小麦との関連)、治療法、そして克服の重要性
要点
- アトピー性皮膚炎は比較的新しい病気で、1900年代頃から出現した。
- 小麦の近代的な品種改良(グルテン増量)とアトピーの出現時期が一致する可能性が指摘されている。
- 西洋医学的治療(抗ヒスタミン薬やステロイドなど)は対症療法であり、根本的な解決にはならない。
- 根本治療として、臨床経験に基づき、小麦(グルテン)の完全な摂取中止が提唱される。
- 小麦断ちによる治療過程では「脱ステロイド」の辛い時期があるが、徹底することで治癒が可能である。
- 治癒には「少しだけ」も許されない、完全な小麦断ちという強い意志が必要である。
- アトピーの克服は、個人の健康だけでなく、将来の世代の健康と社会全体の幸福に繋がる。
ハイライト
"こういうのは、いろんな他の歴史のこととかと組み合わせないと、紐付けしないと出てこないんですね。横に串刺しにするような研究の仕方をしなきゃいけない。"
"コップが水がいっぱいになっているので、もうアトピー性皮膚炎が出ているので、ここに一滴でも水が入るとこぼれてしまうんです。つまり小麦を、もっと言うとグルテンの摂取を完全にやめるんだ。"-- Speaker 1
"治るまで抜いてないと治らないんです。"-- Speaker 1
"将来の我々の子孫ね、大和民族が、みんなが健康で幸せになるということになります。"-- Speaker 1
章とトピック
- アトピーの定義と語源
アトピーは、ギリシャ語の「アトピア(場所がない)」を語源とし、1923年にコカとクックによって「異常で場違いな状態」を指す医学用語として命名された。これは、アレルギー体質を持つ特異な免疫反応を示す言葉として作られたものである。
- アトピーという言葉はギリシャ語の「アトピア」が語源である。
- 「ア」は否定、「トポス」は場所を意味し、直訳すると「場所がない」。医学的には「異常で場違いな状態」と解釈される。
- 1923年にアメリカの免疫学者コカとクックが、アレルギー体質を持つ特異な免疫反応に対して「アトピー」と命名した。
- アトピー性皮膚炎の歴史
アトピー性皮膚炎は1923年頃から歴史に登場した比較的新しい病気であり、それ以前の時代には典型的な症状の記録が見当たらない。これは、1900年代頃に何らかの環境の変化が影響した可能性を示唆している。
- アトピー性皮膚炎と命名されたのは1923年で、おそらく1900年代頃から出始めた疾患である。
- 1800年代にはこの病気は存在しなかったとされ、日本の江戸時代や室町時代、近世ヨーロッパの文献にも典型的な症状の記載は見られない。
- 湿疹やかゆみという記述は古くからあるが、赤くなってガサガサし、かゆみを伴う典型的なアトピーの症状は1923年頃から現れ始めた。
- アトピー性皮膚炎の治療法とその変遷
- 当初は治療法が存在しなかった。
- 後に、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や、過剰な免疫を抑制するステロイドが登場し、コントロールが可能になった。
- 抗ヒスタミン薬はヒスタミンによるかゆみや腫れを抑える対症療法である。
- ステロイドは過剰な免疫を抑制する薬で、あらゆる炎症に効果があるが、感染性の炎症に使用すると血流を悪化させ、免疫反応を妨げるため感染を進行させる危険がある。
- 小麦の品種改良とアトピー性皮膚炎の関連性
アトピー性皮膚炎の出現は、食味向上のためにグルテン量を増やすという近代の小麦の品種改良の時期と一致している可能性があり、これが原因の一つとして考えられる。
- アトピー性皮膚炎が歴史的に現れた時期は、小麦の品種改良が行われた時期と重なる。
- 古代の品種改良(紀元前5000年頃〜)では、収穫量を増やすために小麦が大きくされ、穂が垂れるように、また種が散らばらないように改良された。
- 近代の品種改良では、食感を良くするためにグルテンの量を増やすことが目的とされた。これにより、パンは柔らかく、麺類はもちもちするようになった。
- このグルテンを増やす品種改良が成功した頃から、アトピー性皮膚炎が歴史的に現れ始めた可能性がある。
- アトピー性皮膚炎の地域性と民族性
アトピー性皮膚炎の発症率には地域差があり、日本が最も高い。近年、伝統的に小麦文化圏ではなかった北欧で増加していることは、食生活の変化が発症に関与している可能性を示唆している。
- 世界で最もアトピー性皮膚炎の発症率が高いのは日本である。
- ヨーロッパは日本に比べて発症率が低いが、近年、北欧諸国で増加が報告されている。
- 野生小麦の北限はカスピ海あたりで、それより北の北欧では小麦が取れない。この食文化の違いが発症率に関係している可能性がある。
- 小麦が栽培できない地域(例:ロシア)では蕎麦が主食であり、アフリカ系の人々はタロイモなどを食べていたため、小麦の摂取習慣が少ない。これらの人々は白人に比べてアトピー性皮膚炎の発症率が高い傾向にある。
- ラテン系はゲルマン系より発症率が高く、小麦の原産地に近い地域の人ほど発症率が低く、離れるほどアトピーが増える傾向がある。
- アトピー性皮膚炎の原因と西洋医学的治療
アトピー性皮膚炎の発症率は、小麦の原産地からの地理的な距離と関連があり、小麦の摂取習慣が少ない民族(アフリカ系など)や、ラテン系の人々で発症率が高い傾向にある。西洋医学ではステロイド軟膏などが用いられるが、即効性がある一方で長期使用には皮膚が硬化するなどの欠点も存在する。
- 土地が痩せて寒い地域(例:ロシア)では蕎麦が栽培され、小麦の摂取習慣がない。アフリカ人も同様にタロイモなどを主食としていたため、これらの人々は白人に比べてアトピー性皮膚炎の発症率が高い。
- ラテン系はゲルマン系より発症率が高く、小麦の原産地から離れるほどアトピーが増える傾向がある。
- 西洋医学の教科書的な治療法は、まず皮膚を清潔にし、ステロイド軟膏や非ステロイド系の免疫抑制剤(ポルタレン、ロキソニンなど)、麻酔薬(リトカイン)、毛細血管収縮薬(マリン酸クロルフェラミン)を使用する。
- ステロイド軟膏の利点は即効性で炎症を抑えることだが、欠点は長期使用により血管が減少し、皮膚が乾燥してガサガサになることである。その対策としてヒアルロン酸などで保湿が行われる。
- 小麦断ちによるアトピー性皮膚炎の根本治療
アトピー性皮膚炎の根本治療として、臨床経験に基づき、小麦(グルテン)を完全に断つことが提唱される。最低3ヶ月の完全な小麦断ちで治癒が始まり、ステロイド使用歴がある場合は6ヶ月以上かかる「脱ステロイド」の辛い時期を経る必要がある。完治には早い人で6ヶ月、遅い人で1年を要する。
- 治療の根本は、小麦(グルテン)の摂取を完全にやめること。アトピーが出ている状態は、コップの水が溢れる寸前であり、一滴の水(小麦)でも症状が悪化する。
- 臨床経験上、小麦を完全にやめてから最低3ヶ月で治癒が始まり、かゆみや皮膚のガサガサが改善してくる。
- ステロイドを多く使っていた人ほど、改善過程で「脱ステロイド」の反応が起きる。これには6ヶ月以上かかることもある。
- 脱ステロイドの反応では、一度改善した皮膚が綿飴のように白くなり、その後かさぶたとなって剥がれ落ち、新しい皮膚(真皮)が現れる。この新しい皮膚が綺麗になるのにさらに3ヶ月ほどかかる。
- 治療期間は早い人で6ヶ月、遅い人で1年ほどかかり、その間は小麦を完全に断つ必要がある。
- 「脱ステロイド」期の乗り越え方と痒み対策
治療過程で最も辛い「脱ステロイド」期のかゆみを乗り越える鍵は、酸素を遮断することである。キズパワーパッドのような密閉性の高い絆創膏を貼ることで、かゆみを抑え、掻き壊しを防ぐのが最も効果的な方法である。非依存性の麻酔薬系軟膏の併用も有効である。
- 脱ステロイド期は非常にかゆみが強く、掻いてしまうと治らない。特に子供は我慢が難しい。
- かゆみは酸素がある状態で強くなるため、ジョンソン&ジョンソンのキズパワーパッドのような密閉性の高い絆創膏を患部に貼ると、酸素が遮断されてかゆみが大幅に減る。
- この絆創膏は、掻いてしまっても爪による傷を防ぐ効果もある。赤ちゃんのアトピーにも有効な方法として小児科医から学んだ。
- もう一つの方法として、唐辛子やアルコール、ステロイドを含まない麻酔薬系の痒み止め(塩酸リトカインなど)を塗り、その上から新しいタイプの絆創膏を貼ることで、かゆみを乗り切ることができる。
- 治療成功の鍵:完全な小麦断ちの徹底
アトピー治療の成否は、例外なく小麦を「完全に」断てるかにかかっている。少量でも、頻度が少なくても、摂取する限り治癒はしない。一度解毒が進んだ体は、少量の小麦にも敏感に反応して症状が再発するため、付き合いなどを含め、一切の小麦を断つ厳しい意志が必要である。
- 「少しだけ」の小麦摂取も絶対に許されない。月に1回食べるのも毎日食べるのも、症状が変わらない点では同じである。
- 50代男性の症例:同僚からもらった土産菓子や、付き合いでのラーメンなど、「ほとんど食べていない」という自己判断では全く治らなかった。
- 同男性は、完全に小麦を断って3ヶ月弱で50年ぶりに顔が綺麗になったが、実験的にケーキなどを食べたところ、その日のうちに元の状態に戻ってしまった。
- 治療は富士登山に例えられ、9合目まで行っても登頂しなければ意味がないように、治るまで完全に小麦を抜かなければ治らない。
- 3年から7年通院しても治らない人は、月に1回などの例外的な小麦摂取が原因であることが多い。
- アトピー克服の意義と社会への貢献
アトピーの克服は、個人の精神的解放だけでなく、その知識と経験を共有することで、将来の世代を同じ苦しみから守るという社会的な意義を持つ。患者間の支え合いと経験の共有が、東洋医学的なアプローチの鍵であり、社会全体の健康と幸福に繋がる。
- アトピーを克服した人々は、かゆみや痛みから解放され、精神的に楽になり、物事に集中できるようになったと語る。
患者同士で励まし合い、成功体験や「ぬるいお風呂が楽になる」といった知恵を共有することが治療の助けになる。他人の経験から学ぶことが東洋医学的な治療の本質である。
この知識があれば、将来自分の子供や周りの人々がアトピーになるのを防ぐことができる。
最終的な目標は、将来の我々の子供たち、特に大和民族が皆、健康で幸せになることである。
提案
- 感染症にステロイドは原則として絶対に使ってはいけない。例外はあるものの、抗生物質とステロイドは一緒に使わないというルールがある。
- 強いかゆみには、酸素を遮断する密閉性の高い絆創膏(キズパワーパッドなど)を貼ると、かゆみが軽減され、掻き壊しも防げる。
- ステロイドやアルコールを含まない麻酔薬系の塗り薬を塗った上から絆創膏を貼るのも有効な手段である。